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楽しみにしている生徒も多い修学旅行。今年は、行先を変えたり中止したりする学校も相次ぎました。そんな中、修学旅行を実現させたいという気持ちで立ち上がった唐津市の中学校を取材しました。 一斉休校が明けた今年４月。佐賀県唐津市の鏡中学校の生徒がある強い思いで立ち上がりました。その名も、修学旅行行きたいプロジェクト。 【生徒会長・中山綜一朗さん】「修学旅行に行きたいからです。高校でもしかしたら別れるかもしれない。友達と一緒に泊まって楽しい思いをしたい」 鏡中学校では当初、５月に修学旅行を予定していましたが９月下旬へ延期に。新型コロナが再び流行すれば中止になるかもしれないと不安がぬぐえない中、生徒が発表したのが、新型コロナ感染予防のための宣言文。【校内放送】「コロナ感染の意識をもってもらうことを目標にしてやってます」感染を広げないための５カ条を学校中の生徒に伝えました。 それから半年。“中学生活最後の思い出を作りたい”という生徒達の願いはかなえられたのか？今月２日。本来広島への１泊旅行だった修学旅行は、県内の日帰り旅行へと形を変えましたが、無事修学旅行が行われました。【女子生徒】「最後誰が誰かわからんかった。泥まみれで。高校もばらばらになったりするけど、仲良く楽しい時間を過ごせました」【男子生徒】「やっぱ楽しかった。最後だけど楽しかったという思い出が一番」【男子生徒】「コロナで特別な経験ができてよかった」 しかしこの修学旅行行きたいプロジェクト。旅行を終えた今もまだ終わっていないというのです。【校内放送】「きょうも消毒ボランティア活動をします。たくさんの参加をお待ちしています」放課後、校内放送を合図に続々と集まる生徒達。【記者】「これは何ていう活動？」【女子生徒】「消毒ボランティアです」「修学旅行は終わったけど、感染防止で感染者を減らすためにやっています 生徒たちが校内を消毒する“消毒ボランティア”。学校内で新型コロナウイルスが発生すると修学旅行に行けなくなることを危惧し、修学旅行前から続けていたものです。地域住民から消毒液の寄付を受け、手すりや窓などを拭いていきます。しかも参加しているのは３年生だけではありません。【女子生徒】「１年生です。自分が３年生だったら行きたいから、３年生の思いにもなってやろうと思った」 ６月から、毎日欠かさず継続し、現在までの参加者は、延べおよそ６００人！【消毒ボランティア担当３年・志田瑞歩さん】「修学旅行に行くために何ができるかを考えて感染を広げないということを大事に考えてボランティアを始めました。自分達だけ何でこんな？って思うことばかりだったけど、みんなで楽しい思い出作れたし良いかなって思ってます」 また、プロジェクトの中心メンバーによる手作りの新聞も月１回発行しています。修学旅行いきたいプロジェクトの頭文字をとり、ＳＩＰ新聞。修学旅行が終わっても疫病が終息したわけではないと、全校生徒に向けて新型コロナウイルス関連の最新情報を届けているのです。 生徒たちの活動を支える浜中教諭も、この半年間の生徒の成長を実感しているといいます。【鏡中学校・浜中尊守教諭】「子供たちが、先が見えない厳しい中で、自分達は何ができるだろうと考えて、よく頑張って成長してくれたと思う。修学旅行が実現したときは自分自身もほっとしたというか、胸が熱くなるような思いがあったし子供たちも大きな達成感を得たんじゃないかと思う。本当に子供たちは未知の力を持っていますね」 修学旅行へ行きたいという素直な気持ちをきっかけにその後の消毒ボランティアまで生徒たちを大きく成長させた今回のプロジェクト。中心となって進めた生徒会長は。【生徒会長・中山綜一朗さん】「達成感しかなくて。珍しい体験、貴重な体験だったと思う。こういう体験ができたこと自体がありがたいし、達成できたことがありがたいことだと思いました。まだコロナが終わったわけでもないし、これからまだ続けていって来年２年生も楽しんでほしい。ボランティアで地域交流や社会の役に立てるような学校、一人一人がそういう意識を持ってくれたらいいと思う」