大阪市議会は13日、大阪府知事選(4月7日投開票)への立候補を表明している吉村洋文市長(大阪維新の会政調会長)の20日付の辞職願について、自民、公明、共産などの反対多数で不同意とした。維新が「最後は選挙で決める」と市長を後押ししたのに対し、公明は「大義なき選挙」と批判。定例議会最終日の本会議は、対決姿勢が改めて浮き彫りになった。
吉村市長と松井一郎知事は、大阪都構想の行き詰まりを理由に、任期途中で辞職し、知事と市長が入れ替わりで出馬するダブル選に臨む。吉村市長は公職選挙法の規定で、21日告示の知事選に立候補を届け出れば、自動失職する。松井知事の辞職願も15日の府議会で同様に不同意となる見通し。
本会議で維新は「最後は選挙で決めていただくのが民主主義の根幹。民意を改めて聞く、極めてまっとうな態度だ」と辞職に賛意を表明した。維新への協力姿勢から一転決裂した公明は「大義なき選挙、税金の無駄遣いだ。ポストを私物化し、市長の立場より政治的課題を優先するのは党利党略、あるまじき行為だ」と反対討論。共産も「自分勝手の極み。知事市長の職責はそんなに軽いのか。公選法の目的からも脱法的行為との批判は免れない」と断じた。
一方、2025年大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま)のインフラ整備費など総額1兆8353億円の19年度一般会計当初予算案とダブル選の選挙費(統一地方選を合わせた総額は約17億円)の一部、2億1100万円の18年度補正予算案は、賛成多数で可決した。自民は大都市制度(都構想)の広報費などを削除した当初予算案の修正動議を提出したが、否決された。
閉会後、吉村市長は記者団に「いよいよ選挙モードに突入する。20日まで市長職を全うしながら、政治的主張もやっていく。都構想の再挑戦を府民市民に問いたい」と述べた。【真野敏幸】
毎日新聞
2019年3月13日 22時03分
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190313/k00/00m/010/238000c