35歳超の非正規男性が悲惨なほど困窮する現実
東洋経済オンライン
1990年代半ばから2000年代前半の「就職氷河期」。その影響を全面に受けた世代が今、大きな格差に
直面している。一度レールから落ちてしまった人に厳しい日本社会の特徴が、就職時期に「機会の平等」を
享受できなかった中年世代の上に重くのしかかっている。
しかし、それは決して特定の世代の問題ではない。「今の40歳前後に苦しい生活を送る人が多い因縁」
(2020年9月1日配信)、「今の30〜40代非正規を待つ『極貧』老後の超不安」(同9月8日配信)に続き、
格差問題に取り組み続けている橘木俊詔氏の新刊『中年格差』から、本書の一部を抜粋・再編集してお届けする。
非正規雇用者の厳しい労働条件
格差社会に入った日本において、それを説明する根拠として1つ重要なのが、労働者の雇用形態における
正規労働と非正規労働の対比である。細かいことを言えば両者の定義はそう単純ではないし、
しかもあいまいさが残るものである。
しかしわかりやすい定義をすれば、正規はフルタイムで働いており、しかも雇用期間は無限が
原則であるのに対して、非正規は労働時間が短くかつ雇用期間が無限ではない、ということになる。
前者は正社員と呼ばれ、後者は非正社員と呼ばれることもある。両者間に賃金を含めた労働条件に
かなりの格差があり、ここ数十年間の不況経済の継続によって非正規労働者の数が激増したことで
低所得の人を多く生み、高所得の正規労働者と低所得の非正規労働者の併存というのが、
格差社会の1つの象徴となったのである。
非正規労働は、労働時間が短く、雇用期間に定めがあるのが2大特色であるが、
これに関連していくつかの特性がある。
https://news.livedoor.com/article/detail/18899982/